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  • ほっその今読んでる本

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石井光太「遺体 震災、津波の果てに」

891番 ★★★★★

内容(「BOOK」データベースより)

2011年3月11日。40000人が住む三陸の港町釜石を襲った津波は、死者・行方不明者1100人もの犠牲を出した。各施設を瞬く間に埋め尽くす、戦時にもなかった未曾有の遺体数。次々と直面する顔見知りの「体」に立ちすくみつつも、人々はどう弔いを成していったのか?生き延びた者は、膨大な数の死者を前に、立ち止まることすら許されなかった―遺体安置所をめぐる極限状態に迫る、壮絶なるルポルタージュ。

読んでいる間、体が震え、めくるページも止められず、涙を流すことすら忘れてしまうくらいの内容でした。昨日読んだのですが、一気読みで、今思い出して目頭が熱くなっています。

私として共感したのは、内陸にいて津波被害にあわなかった人たちが、地元の被害を知り、立ち尽くすところでした。まさしく私がそうでしたから・・・そんな中の一人民生委員の千葉さんが、以前葬儀社に勤めていたということで、遺体安置所の管理人をかってでるのでした。

火葬場も被災、お寺も被災、葬儀社も被災、すべてが被災した私の地元でも、新聞報道や近所の現状で知る限り、この時期の「弔い」は、混乱しました。

生き残った人の役目とはいえ、献身的な気持ちがないと務まらない任務。こういう現実が津波襲来した町にはあったのだ。いまだに多くの行方不明者。また、身元不明のまま、遺骨になる場合もかなりあるようです。

千葉さんの献身的な言葉。遺族にかける言葉は、思い出しても涙が出ます。

菅野武「寄り添い支える 公立志津川病院若き内科医の3.11」

890番 ★★★★

大人の事情があるみたいで、アマゾンの検索にひっかかりません。河北新報出版センターから発行された新書 「河北選書」です。

去年読んだ海堂さんの本にも登場したし、マスコミにも何度か登場した、南三陸の病院で、震災にあったお医者さんの本です。

この病院の場所知っているし、本に載ってた地図や写真、そして病院の見取り図。病院の4階まで水がきたという現実。3時半には病院の周りが、濁流だったという・・・・事実の重みに押しつぶされそうになった。

とても正直な方で、ご自身が死を覚悟したこと、率直に書かれていた。見つけられたとき、わかりやすいように普段外している指輪をはめたという。看護師さんの中には、油性のマジックで、腕に名前を書きあったと。4階まで水没して、5階の会議室に避難したわけだけれど、5階に津波が来ない保証がないのだ・・・

震災体験のほか、医学を目指すことになったいきさつ、研修医時代のお話、家族のこと、タイム誌のイベントで、渡米したことなど、内容も盛りだくさんでした。

☆なんで、アマゾンで買えないんだろう? 私も図書館で借りたので、そんなこと言えた義理もないけど。

桜木紫乃「ラブレス」

889番 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)

馬鹿にしたければ笑えばいい。あたしは、とっても「しあわせ」だった。風呂は週に一度だけ。電気も、ない。酒に溺れる父の暴力による支配。北海道、極貧の、愛のない家。昭和26年。百合江は、奉公先から逃げ出して旅の一座に飛び込む。「歌」が自分の人生を変えてくれると信じて。それが儚い夢であることを知りながら―。他人の価値観では決して計れない、ひとりの女の「幸福な生」。「愛」に裏切られ続けた百合江を支えたものは、何だったのか?今年の小説界、最高の収穫。書き下ろし長編

新聞の広告と苗坊さんのブログで、この作品の存在を知りました。はじめましての作家さんです。

どうも「女の一代記」らしい、苦労の連続らしいという以外、先入観を持たずに読み始めました。表紙がきれいで、若い作家さんなのかなあと思いましたね。

読み始めたら、いわゆる古典的なテーマです。俗っぽく言うと、昼のドラマに出てきそうな展開です。百合江を軸に、百合江の妹里実、百合江の娘理恵、里実の娘小夜子が、主に登場します。理恵と小夜子は、子供のころ仲良しだった、いとこ同士ということで。

百合江が薬屋の奉公から、旅一座に飛び込み、その後放浪。妊娠、母子家庭、結婚、離婚・・・と、世間でいう不幸ばかりの人生が続きます。百合江を支える里実。里実の人生も波瀾万丈。百合江と生き別れた綾子のその後には、涙でした。

理恵と小夜子との対比もよかったですけど、理恵と百合江がしっくりいかなくなっていく展開が、私の読み方が悪かったようで、ちょっと??でした。

百合江と里実の母、ハギ。彼女の晩年に理恵がかかわれたこと、これはよかった。ハギが理恵から教えられた文字で、つたない感謝の手紙を残す場面が、私は好きでした。

☆若い作家さんかと思ったら、私よりは若いけど・・・でした。今後も期待しています。

三浦しをん「天国旅行」

888番 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)

そこへ行けば、救われるのか。富士の樹海に現れた男の導き、死んだ彼女と暮らす若者の迷い、命懸けで結ばれた相手への遺言、前世を信じる女の黒い夢、一家心中で生き残った男の記憶…光と望みを探る七つの傑作短篇。

この作家さんが、「心中」をテーマにするとこういう作品になるのか・・・驚くやら、感心するやらでした。短編集です。

「初盆の客」が、私としては好きでした。心中をテーマにといいながら、もう少し広い内容なので、おどろおどろしさはないです。一番目に収録されていたのが、舞台青木が原だったので、ちょっと焦りました。怖いのちょっと苦手なので。

角田光代「ツリーハウス」

887番 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)

謎の多い祖父の戸籍、沈黙が隠した家族の過去。すべての家庭の床下には、戦争の記憶が埋まっている。新宿角筈『翡翠飯店』クロニクル。

面白く読んだけど、人に勧めるほどでもないというのが、私の正直な感想。逆に彼女、こういう「大河」っぽい作品、書くんだというのも、驚きでした。

角田作品全作読んだわけではないけど、たとえば「八日目の蝉」などに登場する、あぶなかっしい人物。こういう見ちゃいられない人物のオンパレード。それが藤代家でした。どうも彼女が作り出す、作品上の家族の姿は、私は好きになれない。

この時代の本となると、「ワイルドスワン」「大地の子」とどうしても比べてしまう。庶民とくくるのには、抵抗があるけど、必死に生きるというより、成り行きで生きてきたこういう家族もありなのかと、思う作品でした。

それでも最後まで読んだのは、昭和、平成の史実が、うまく作品に反映されてたこと。孫の良嗣が、祖父母の過去を知り、成長したこと。ここは大満足。

辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ」

886番 ★★★

内容紹介

中学二年のふたりが計画する「悲劇」の行方
親の無理解、友人との関係に閉塞感を抱く「リア充」少女の小林アン。普通の中学生とは違う「特別な存在」となるために、同級生の「昆虫系」男子、徳川に自分が被害者となる殺人事件を依頼する。

なんとも痛々しい物語でした。つらくて消えちゃいたい衝動、でも世の中に自分の存在を知らしめたい欲望。今の私の深層心理にも、あるものです。でもアンほどになると、痛々しくて見てられない。

能天気なアンの母の存在。赤毛のアンにあこがれ、自分の娘に名づけたのであれば、やっぱり笑ってすまされるものではない。育児経験者として、母のこともなんとも言えない気分になった。

こんな話どうやって、エンディングに持っていくのかと思ってたけど、結末そうきたかというのが正直なところ。徳川がこうも「大人」だったんだ・・・・彼には彼なりの苦悩が、あったんだ。少女の苦しみ、女同士のつきあいの嫌な面など、作者らしい作品であることには、間違いがないけど、好きな作品とは言い難く、とにかく「痛い」作品でした。

最近読んだ絵本

4冊まとめて読みました。記録はまとめて読書メーターへ。ブログパーツからジャンプしてください。

震災関連の絵本、図書館で見つけました。

一応タイトルのみ・・・
「新幹線のたび」
「津波」「奇跡の一本松」
「希望のキャンプ」

重松清「峠うどん物語」

884~5番 ★★★

内容説明

市営斎場の前に建つ、一軒のうどん屋、『峠うどん』。
暖簾をくぐるのは、命の旅立ちを見届けたひとたち――。

【上巻 あらすじ】
中学二年生のよっちゃんは、祖父母が営むうどん屋『峠うどん』を手伝っていた。
『峠うどん』のお手伝いが、わたしは好きだ。どこが。どんなふうに。自分でも知りたいから、こんなに必死に、汗だくになってバス停まで走っているのだ。
おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん。そして『峠うどん』の暖簾(のれん)をくぐるたくさんの人たちが教えてくれる、命についてのこと――。

【下巻 あらすじ】
五十年前の大水害の翌日、若いうどん職人が路上でふるまったうどんは、まずくて、おいしくて、希望の味がした。
空襲から、まだ十数年しかたっていないのに。一面の焼け野原からせっかくみんなでがんばって復興したのに、今度は一面の海になってしまって、やり直し……。
それでも、ひとびとはくじけなかった。
いま一生懸命に生きているひとたちを、あたたかく、そして力強く包み込む――。

年の初めから、この種の本を読んでいいのだろうか?

市営斎場のそばにある峠うどん。(元の名前は長寿庵・・・これには笑った!)うどん屋のご夫婦と孫娘よっちゃんとのお話。連作短編集でした。

どうしても震災のことを思い出してしまった「柿八年」

おおきな病院に紹介状を書いた後にも、ずっと心配してしまう町のお医者さんのお話「本年も又、喪中につき」 この二作品が心に響きました。重松作品らしい内容でした。

貫井徳郎「乱反射」

883番 ★★★

内容紹介

ひとりの幼児を死に追いやった、裁けぬ殺人。街路樹伐採の反対運動を起こす主婦、職務怠慢なアルバイト医、救急外来の常習者、事なかれ主義の市役所職員、尊大な定年退職者……複雑に絡み合ったエゴイズムの果てに、悲劇は起こった。残された父が辿り着いた真相は、罪さえ問えない人災の連鎖だった。遺族は、ただ慟哭するしかないのか? モラルなき現代日本を暴き出す、新時代の社会派エンターテインメント!

読み始めてしまったと思いました。私の苦手な群像劇です。また章の数え方が、マイナスから始まっていて、構成に凝る作家さんのようです。(以前読んだ「灰色の虹」がそうでした)

そのため、前半部分は重松作品と並行読みしました。悲劇が起きてからは、読書メーターで見たほかの読者さんと同じように、夢中に読みました。

日常何気ない罪(見方によっては、何気ないとは言えない罪)の重なり。読めば、同情したり、反感もったりいろんな登場人物出てくるでしょう。死んだ子供の父親の職業が、新聞記者というのも、物語では重要かもしれない。素人だったら、暴こうと思うだろうか?

個人的に同情するのは、車の車庫入れで苦労する若い女性。(家族の力関係で、彼女には動かせないような大きめの車を買うことになった・・・) 私もいまだに都会のせまい駐車場では、冷や汗かいてます。普段住んでいる田舎の駐車場とは、造りが違うように感じます。また、一番腹立たしく思ったのは、犬の落し物そのままにする年金生活者。腰悪くてかがめないような人が、犬を飼う資格ありません!

海堂尊「アリアドネの弾丸」

882番 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)

東城大学病院で再び殺人事件が!「この事件はすべてが不自然すぎる。絶対にどこかがおかしいんだ」東城大学病院に導入された新型MRIコロンブスエッグを中心に起こる事件の数々。さらには、病院長に収賄と殺人の容疑がかけられてしまう!殺人現場に残されていた弾丸には、巧妙な罠が張り巡らされていた…。不定愁訴外来の担当医師・田口公平が、駆けつけた厚生労働省のはぐれ技官・白鳥圭輔とともに完全無欠のトリックに挑む。

田口先生と官僚の白鳥氏のシリーズ。借りてきて、しまったと思いました。「イノセント・ゲリラの祝祭」・・・・未読だった。未読のまま、これ読んでよかったんだろうか?ずっと「疑問」が付いて回りました。

この作品では、警察が悪者に書かれていた・・・これには違和感がありました。作者のAIに対する情熱は理解するけど、あまりに極端な気がしました。官僚、医者、警察、どの世界でも悪い奴は悪いし、ほとんどのメンバーが使命感に燃えていると思う。

MRIの仕組みについてなど、理系的な記述も多く、理系が全くダメな私には、お手上げでした。ヘリウムガスって超高額なんですね。

«大沼紀子「ゆくとしくるとし」

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