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2006年1月

蓮池透「奪還」

16番  ☆☆☆

「北朝鮮による拉致被害者家族連合」事務局長の作者が弟さんが失踪するまで、失踪の前後、それが拉致と分かるまで、拉致と分かってから、そして帰国してからの出来事と苦悩を記録した作品。(この本がでた当時はお子さんの帰国には全くのめどが立っていない状況でした)
当事者しか分からない苦労のやまやま・・・は想像していましたが、作者の語る政治家、行政(外務省と警察)そしてマスコミに対する見解にはするどいものがあります。私たちはそれを批判という権利はありません。
特に政治家に関しては実名もかなり出ていまして、興味深かったです。マスコミに関しても同様。作者の言葉を借りれば無法国家と無能国家に翻弄される長い年月でした。
テレビで作者の姿を見るチャンスがかなりありました。そのときの印象として「なんて冷静な方なんだろう・・・」を思っていました。このようなつらい年月を送れば、そうなるのも不思議はないと強く思いました。一喜一憂していたら、体がもちませんよね。
拉致問題の解決が何よりも大事ということを改めて感じたことはもちろんですが、(解決とはこの場合、家族会が納得することが大前提)近隣諸国であることには間違いないのですから、日本の国益のためにも関係をなんとかならないものかとの気持ちも出てきました。


れんれん > 「無法国家、無能国家に翻弄・・・」本当に被害者の方々にしてみれば、その通りなんだろうと頷けます。是非この本読んでみようと思います。 (2006/07/15 21:04)
ほっそ > れんれんさんは拉致問題の本を私より読んでいらっしゃるようなので、この本もお勧めです。あしかさんの日記には政治化の実名がかなり出ていましたが、本はもちろん全部実名ですよ。 (2006/07/16 08:55)
Nick > この本も、「告白」(ジェンキンス著)同様一気読みでした。失踪の状況はほんとうに生々しく、且つ、国交が無いからと言う理由で、外務省が笑いながらの門前払い。拉致問題は、発生当初は「神隠し」と言う事で、TVは報道していました。(北朝鮮の拉致と言う認識や疑いが確定していなかった為。)今、佐々淳行の「後藤田正晴と12人の総理たち」を読んでいますが、この佐々氏も拉致事件解決に寄与している事を初めて知りました。 (2006/08/23 01:31)
ほっそ > こちらにもありがとうございます。今でこそ、みんなが知っている問題ですが、一番苦しんだ家族だからこその文章です。拉致と分かってからが、一番苦しかったのではと想像します。 (2006/08/23 12:30)

小林竜雄「向田邦子 恋のすべて」

15番☆☆☆

脚本家、文芸評論家の作者による向田邦子の恋に焦点を絞った評論の本。
妹の和子さんの本を読んでいましたので、つい手にとってしまいました。
内容は結構難しい・・・テレビ作品では「阿修羅のごとく」くらいしかみていないし、見た当時私はまだまだ子供でしたので、男女の機微など分かりません。作者は向田作品に思い入れが強いので、そういった方は納得する文章だと思います。
私が一番興味深かったのは、向田邦子と柳美里、有吉佐和子という作家との対比。有吉佐和子のほうはともかく、柳美里のほうは納得してしまいました。彼女自身の本で向田作品の「冬の運動会」をめぐる記述がありました。家族は「在る」ものではない。「創る」努力をしなければ崩壊する・・・という向田の家族観・・・かみしめたいと思います。

宮尾登美子「東福門院和子の涙」

14番 ☆☆☆☆

宮尾作品で未読でしたが、れんれんさんのお勧めもあって、歴史ものに挑戦しました。
主人公は和子(まさこ)で徳川第二代将軍秀忠とお江与の方の娘です。祖母はお市の方ですから、直系の方だけで、それぞれ何冊もの本ができるくらいの存在です。
和子の生涯を和子のそばでおつかえしたおゆきが語っていきます。
一番の迫力は和子が皇室に嫁いだ後、(夫は後水尾天皇)
「お床いり遊ばす」までの2年4ヶ月苦しんだゆきの姿でした。自分の力だけはこれだけはどうにもならず、和子ともども苦しむ様子。また事態の打開になんとか動こうとする側近の動き。それぞれ圧倒されました。
またタイトルにもなっている、涙・・・やっと授かった子供は女の子が続き、男の子は亡くなり、夫の寵愛も薄れていく
のだけでもつらいのに、かつ女房たちがつぎつぎ出産。(かつては闇から闇に葬られたとか・・・ああおそろしい)
晩年は平穏な日々がやってきまして、慈愛にみちたお姿でしたが、今までのつらいご苦労の裏打ちと思われます。
皇室典範の見直しが叫ばれています。「男系」がえんえんと続くことを賛美するかたの意見が報道されましたが、その「男系」は和子さまのようなかたの犠牲の上に成り立っているものと感じました。私自身このことに関して意見はありませんが、誰かに苦労を強いる制度であればなんとかしてほしいと思います。


まゆ > 和子さんってすさまじい生涯を送っているのですよねえ。私は日本史マニアで、特にお市の方の血統に興味があるのですが・・・。和子さんの生涯については意外と知られていないので、少々残念なのです。宮尾さんが一生懸命書いてくださって、ちょっと救われた気分でした。 (2006/01/30 20:19)
ほっそ > 書き込みありがとうございます。まゆさんのこの本のページも読ませていただきました。
わたしもまゆさんと同様にこの方の存在がもう少し有名になってもいいと思いますが・・・
時代劇で女性にスポットライトがあたるのは、戦国時代と大奥以外にないのかな~ (2006/01/31 08:29)
れんれん > 遅いレスでごめんなさい。読んでくださったのですね。この時期は、本プロにもなかなか立ち寄れないほどバタバタしていました。気が付かずにいてごめんなさい。
やんごとなき方たちの暮らしは、私の想像を越えるものがあるとは思っていましたが、結婚された夫婦が2人きりになるのに、これほど多くの防害者がいたとは驚きでした。時には卑劣な手段を使ってでも阻止しようとされ、結局2年4ヶ月ですから。 (2006/07/06 11:12)
ほっそ > れんれんさん、レスありがとうございます。
歴史ものはかなり苦手で(名前を覚えられない)・・・でもこの作品はそれを超越するものがありましたね。 (2006/07/06 18:44)

角田光代「対岸の彼女」

13番 ☆☆☆

昨年の直木賞受賞作品。恥ずかしながら、この作家さん読むの初めて。(T_T)/~~~
主な登場人物は楢橋葵、田村小夜子。そして葵の高校時代のナナコとの友情の話と、葵の現在の仕事(会社経営)で田村小夜子と出会うところから始まる話と交互に語られ、読み始めてしばらく不思議な気分になります。
小夜子の描写が実にリアル。子育てで専業主婦経験して、その後パートにも出たことのある私にとっても、自分のことを見ているようで、憂鬱な気分にもなりかねないほど・・・
また女子高での葵とナナコの友情というか(結果的に二人で自殺未遂をしたので、誤解されたままなのだが)このへんの物語の組み立てもなかなかのもの。
結末がそれなりのハッピーエンドでしたから、ほのぼのした気分になりました。小夜子が仕事を通じて、成長しているように思いまして、うれしい気持ちになりました。


まゆ > 大好きな話です。角田さんはずっと苦手だったのですが、初めて感動しました。この小説のテーマについて語ったものを、私の日記の【868】漫画版「対岸の彼女」のページにアップしてあります。これ以前の角田作品と読み比べてみると、「違い」がわかりますよ~。 (2006/01/22 17:11)
ゆきみ大福 > はじめまして。私も忘れられない1冊です。角田さんと同世代なので、どこを切り取っても身につまされるというか、胸に迫るというか・・・。私は、いつも綺麗事じゃないリアルを描く角田さんがすきなのです。 (2006/01/22 21:16)
ほっそ > まゆさん、書き込みありがとうございます。
ゆきみ大福さん、はじめまして。書き込みありがとうございます。
今回角田作品はほとんど出会いがしらのようなめぐり合いでしたので、また何か「本プロ」を参考に読みたいと思います。
ところで、この物語で一番共感した登場人物はどなたですか。
私としては小夜子。特に公園デビューを目指し、さまよう姿は昔の私そのもの。私の住んでいるところは子育てはおじいさん、おばあさんの仕事で、若夫婦はほとんど仕事しているので、その当時専業主婦していた私はすごく社会と切り離された感じばかりしていたので、その当時のことを思い出して、ほろ苦い気分になりました。 (2006/01/23 09:25)
まゆ > 私は独身ですので、やっぱり葵の方です。いいかげんでどんぶり勘定が多くって傍迷惑。もろいけれどたくましい。そんな葵に共感する部分が多かったです。海外旅行に行った時の葵のエピソードが好きです。「信じる」と決めたところ。 (2006/01/23 20:07)
kanakana > 私は独身だけど多数派の人間だからなぁ。葵より小夜子に共感しました。人が変わっていくこと、成長していくことを考えさせられた本でした。 (2006/01/23 20:49)
ほっそ > まゆさん、kanakanaさん、ありがとうございます。
kanakanaさん、先日はあなたのページを結果的に荒らすこととなり、ごめんなさいね。もうお返事もらえないかと思ってました。感激!
いろいろご意見ありがとう。そのときの自分の立場、気分その他さまざまな要素で共感する人物は変わることがあるかもしれませんね。またいろいろ教えてください。待っています。\(^o^)/ (2006/01/24 11:04)
ケイ > ほっそさん、こんばんは~レスありがとうございました。確かに小夜子ちゃん、、とよんでしまうけど。ほんとにお掃除までして、、小さな子を預けてはらはらしましたねぇ。私も自分を思い出して、いろいろ悩んでたなと。青かった自分を思い出しました。。爆。子育ての頃が幸せだったなあと今では思いますが。今も一応子育て中なんですが。。私の立場は葵ちゃんのお母さんかしら?子供の感受性にはらはらして。どちらかというと、母を振り回していた私ですが。。反省。でも独身の葵ちゃんにも惹かれました。ナナコちゃんにも。どの女性もピュアで、いいなと思いました。主婦っていろいろと辛い時もありますよねぇ。しがらみで逃れられない、お付き合い。学校役員とかねぇ。それも書いてあるし。ほっそさんの感想、そうだなあと思って読ませていただきました。いろいろとあったから分かり合えたんだなあと。。本の中とはいえ、よい結末でしたね。そうして本プロで話せるのも、楽しいことですよね。共感ってとても素敵だなと思います。これからもよろしくお願いします。。 (2006/07/18 02:22)
ほっそ > ケイさん、こちらにまでありがとうございます。私も昨年末より、本プロに参加して、ほんとに楽しく過ごしています。
なんといっても読む本の幅が増えました。皆さんの作品に対する思い入れもよくわかります。
また詩人のような美しいコメント楽しみにしてます。 (2006/07/18 12:38)

横山秀夫「動機」

12番 ☆☆☆

本の題名の「動機」のほか、「逆転の夏」「ネタ元」「密室の人」の4作品から成り立つ本です。
「逆転の夏」が一番面白かったです。主人公は殺人の前科を持つ山本。彼を取り巻く人物として、山本の勤務先の野崎社長、保護司の及川、山本の別れた妻静江、そして謎の人間カサイショウジ・・・
山本はなぞの人物カサイから、殺人を依頼されます。そして金まで振り込まれて・・・山本のなぜ?という気持ちをもてあそぶようなカサイの言動。そして結末でそのすべてがわかります。
それぞれの登場人物の心理が丁寧に書かれていまして、(その他の作品にも共通していえることですが)特に山本の事件前からの心理描写はよかったです。なにも好き好んで、前科ものになる人はいないのだと改めて感じました。


こしまこ > こんにちは。わたしも横山さんを初めて読んだのが本書でした。それから横山さんの警察もの短編連作にはまったクチです。 (2006/01/19 00:02)
ほっそ > こしまこさん、はじめまして。書き込みありがとうございます。
私は横山作品は二冊目です。初めて読んだのは、「半落ち」でした。「本プロ」でも横山作品の評価は高いので、また読んでみたいです。
お勧め作品などありましたら、教えてくださいね。(^_^)是非またいらしてください。ヨロシク! (2006/01/19 08:56)
kanakana > ほっそさん、はじめまして♪「逆転の夏」は、最後にほっとさせられました。「動機」以外では、「陰の季節」「深追い」「第三の時効」「臨場」なんかが、警察を舞台とした短編小説で面白かったですよ。 (2006/01/19 23:05)
ほっそ > kanakanaさん、はじめまして。書き込みありがとうございます。「逆転の夏」の結末はほっとする反面、ちょっとほろ苦い気持ちにもなりましたね。「赦す」ということの言葉の重みを思いました。
いろいろ作品の紹介をありがとうございます。\(~o~)/読んでないものばかりなので、参考になりました。またいらしてくださいね。 (2006/01/20 09:31)

沢村貞子「老いの道連れ」

11番 ☆☆☆

朝日新聞の土曜版BEに大橋、沢村ご夫妻のことが特集していました。その日図書館に行って見つけたので、迷わず借りてきました。
この本には「熟年離婚」とはほど遠い愛のかたちがありました。でもそこにたどり着くまでは、限りない出来事が・・・
なにしろ出発が女性誌風の言い方だと、「ダブル不倫」のため駆け落ち。入籍するまで、20年以上。その間生活費を慰謝料代わりに夫の家族に送金し続ける年月。また夫のはじめた出版の仕事への援助。妻はひたすら女優の仕事に没頭します。
彼女を支えるマネージャーのYさん。ご自身の結婚式に遅刻しそうになったとか・・・さまざまなエピソードが出てきます。ずっと支えつづけた彼女に対する感謝の気持ちもいたるところに表現されています。
朝日新聞にはこのYさん、今もついの住処となった部屋を管理していると記載がありました。かけがえのない方とめぐり合った、ご夫妻とYさん。なんともあたたかい気分になりました。

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