柳美里「交換日記」
26番 ☆☆☆☆
2001年11月末より2002年末までの彼女の日記。主な内容は
1.子育て(この当時お子さんは二歳)と執筆で多忙な作者の日々。
2.「石に泳ぐ魚」裁判に関しての彼女の思い。
3.「八月の果て」執筆のため、マラソンに挑戦して、その後すっかりはまって、各種レースへ参加する様子。
4.編集者とのお付き合いの模様。
5.東さんや自分の家族やお子さんの父親に対する思い。
私は「命」シリーズの続編として読みました。決して器用でなく、いつも真剣(逆に返り血を浴びながら・・)な作者の姿勢には頭が下がります。編集者にも絶大な信頼を寄せていて、いい関係でいられるのに、逆に血縁のある方との関係は必ずしもそうはいえない現実もそのまま表現されています。
私が一番と思ったのは、お子さんの様子。いたずらしたり、作者を困らせたり、かなり詳しく書かれています。我が家の子供たちもそうでしたが、怪獣ぶりはすごい!
裁判については、該当の作品を読んでないので、なんともいいようがありません。
朝日に連載当時「八月の果て」を読み始めたけど、いつの間にか読まなくなってそれっきりにしたことを少し後悔をさせた本となりました。
キイロイトリ > はじめまして。「命」シリーズはまだ途中までしか読めてないのですが、、柳さんの自分を切り売りしているような文章には痛々しさを感じながらも惹きつけられます。裁判に関しても興味がありますので、今度読んでみたいです。 (2006/03/03 22:48) |
ほっそ > キイロイトリさん、こちらこそはじめまして。(^_^) レスありがとうございます。私自身世渡りが下手で、嫌になることが多いのですが、柳さんが自分自身に正直に生きている姿は何もそこまで世間と闘わなくても・・・と思いますね。今も新潮45に連載しているようですので、(私も時々立ち読みしています)今後の彼女の作品と共に楽しみです。編集長の中瀬ゆかりさんとの友情がすばらしい・・・ 今日図書館で「八月の果て」を手にしましたが・・・やっぱり読めそうにありませんでした。(T_T)/~~~ (2006/03/04 15:52) |
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