豊島ミホ「檸檬のころ」
654番 ☆☆☆
ある方のお勧めで「はつもの」の作家さんです。
連作短編になっていますが、舞台は田舎の高校。ごくごく普通の高校生が登場します。これ、すてきです。
でも、でてくる高校生に共感できるほど若くないため、その取り巻き、下宿屋のお姉さん、担任の先生、高校生の母親などに、心あたたまるものを感じました。
「担任稼業」なんて、設定がリアルすぎ、笑うに笑えないものがありまして、ラストどこに持っていくのか、心配しちゃいました!なるほど、そうきましたか!「生徒というのはなにもわかっちゃくれないんだ」って。そういう先生も、学生の時は「先生はなにもわかっていない」って、思ってた。時はめぐるんです。
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檸檬のころ (幻冬舎文庫) 著者:豊島 ミホ |
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この作家さんは僕も好きです。感情の描き方が上手いですよね。
で、この作品はあくまで普通の高校生が出て来るところがいいですよね。
あ、ちょっと自分にも覚えがあるな、とか。
この作品は映画化もしているらしいですよ。僕も見たことはないんですけど。
投稿: buudy | 2010年5月28日 (金) 14時15分
甘酸っぱいというか、ほろ苦いというか。
私は共感しまくりでした~。
高校生の頃は楽しかったけど、「あの日に戻りたい」とまでは思わないですね。
そういう普通の高校生活を送った人こそ、共感するのかもしれません。
投稿: kanakana | 2010年5月29日 (土) 00時31分
ありがとうございます。
buudyさん、あなたはこの作品、ストライクでしょう! 悩み多き高校生、いろんな選択がある時代ですよね。
もう少し、若いころに読みたかったです(;´д`)トホホ…
kanakanaさんも私よりはずっと若いから、ストライクでしょう。ほとんどが普通に学生時代を過ごすのだから、そういう方へ「光」を当てたのは、素敵なことですね。
投稿: ほっそ | 2010年5月31日 (月) 13時23分