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ジョン・ダワー「敗北を抱きしめて」

704~5番 ☆☆☆

内容紹介

   作者は米マサチューセッツ工科大学の日本研究の第一人者で、終戦からサンフランシスコ平和条約による独立までの日本を描き出したこの著作で1999年のピューリッツァー賞を受賞した。

   これは単なる日本の戦後史の概説でも、アメリカの占領、統治政策の断面でもない。著者の視線はどこまでも低く、さまざまな庶民の具体的な姿を通して、混乱期の日本社会と占領政策の実相が浮き彫りにされる。引き上げ者、闇市に集まる人々、夜の女、孤児…。両親や祖父母がくぐり抜けてきた時代であり、日本人にとって個々には聞いたり読んだりして知っている民族的体験だが、これが広い脈絡の中に位置づけられることで、それまで気づかなかった政治、社会、文化的意味合いが明確になる。

   たとえばパンパンと呼ばれた米兵を相手にする夜の女たち。過去の日本は、外国との文化交流は上層エリート層から垂直に浸透したが、タバコ、ストッキング、化粧品とアメリカ的消費文化を先駆的に受容したパンパンは、それまでなかった水平的な西洋化という文化交流の象徴となった、と著者は言う。また占領軍の白人至上主義も著者は見逃さない。ドイツのナチズムは、成熟した西欧社会にできたガンだが、日本社会は本来的にガン体質で、未開の野蛮なものと認識されていた。アメリカの義務はその遅れた日本人を文明化することで、そこには民族的優越意識に基づく宣教師の情熱があったと指摘する。

   ある国の学者が日本の歴史書を書いても、それはまず当の国の人々に向けてであって、日本人を満足させるものは少ない。しかし本書のような優れた著作に出あうと、既定のものとしていた日本の戦後史が異なる相貌をもって立ち上がる。日本の基点となった時代を違った視点で、より相対化して見る意味からも必読の書といえよう。(西川 恵)

出版社/著者からの内容紹介

1945年8月,焦土と化した日本に上陸した占領軍兵士がそこに見出したのは,驚くべきことに,敗者の卑屈や憎悪ではなく,改革への希望に満ちた民衆の姿であった.勝者による上からの革命に,敗北を抱きしめながら民衆が力強く呼応したこの奇跡的な「敗北の物語」を,米国最高の歴史家が描く.20世紀の叙事詩.ピュリッツァー賞受賞

以前からずっと読みたかった本です。実際読み始めて、難しさに四苦八苦したのは、間違いないけど、読み終わったことには大満足でした。

サブタイトルどおり、「第二次大戦後の日本人」について、膨大な資料をもとにアメリカ人の学者さんが書いたものです。日本人といっても、子供から昭和天皇まで、すごい範囲です。

私自身の率直な感想・・・・・敗北を抱きしめていた人たちに、私は育てられたんだ!物心ついた時には、高度成長時代でしたが、子供のころのことをよく思い出しました。

へえ~~って思うこと、いくつかありましたので、メモしておきます。

☆新憲法の採決、反対する政党がいたこと。(今は護憲の立場のようですが) 9条の問題はその当時からあったのには、納得。

☆戦時中の検閲同様に、占領時の検閲があって、沖縄のことや世界情勢でも新聞にのせられなかったこと。(今ならネットがあるので、どうなんでしょう)

☆戦争犯罪人を裁く東京裁判とは別に、日本人で裁こうという動きがあったこと。当然、その動きは封じられましたが。

☆占領軍の経費は、日本政府の負担だったこと。当初連合軍だったけど、その後アメリカ軍の比重が多くなっていく。(当時日本人は、マッカーサー氏のこと、すごい歓迎ムードだったけど、どうもこの事実は知らされていなかったようです)

写真やその当時の風俗がわかるものも多数収録されていました。がりがりにやせていた日本人たち。戦争中からずっと、飢えとの戦いだったこと、改めて感じました。

敗北を抱きしめて 上 増補版―第二次大戦後の日本人 Book 敗北を抱きしめて 上 増補版―第二次大戦後の日本人

著者:ジョン ダワー
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敗北を抱きしめて 下 増補版―第二次大戦後の日本人 Book 敗北を抱きしめて 下 増補版―第二次大戦後の日本人

著者:ジョン ダワー
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私は図書館利用なので、増補版ではありませんでした。増補版は、写真がずっと増えているそうです。

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