絲山秋子「離陸」
★★★
内容(「BOOK」データベースより)
「女優を探してほしい」。突如訪ねて来た不気味な黒人イルベールの言葉により、“ぼく”の平凡な人生は大きく動き始める。イスラエル映画に、戦間期のパリに…時空と場所を超えて足跡を残す“女優”とは何者なのか?謎めいた追跡の旅。そして親しき者たちの死。“ぼく”はやがて寄る辺なき生の核心へと迫っていく―人生を襲う不意打ちの死と向き合った傑作長篇。
不思議な物語でした。
伊坂幸太郎さんが「絲山秋子が書くスパイの物語が読みたい」という気持ちと、彼女が以前から温めていた「離陸」というタイトルから展開する物語です。
新刊出たのは知らなくて、図書館で発見し手に取りました。
「女優」は、ミステリアスな存在ですが、それ以外の設定はリアルなものでしたので、物語とはわかっていてもどうにも不思議でした。
女優の子供は、ブツゾーとういう名前。女優は失踪して友人のイルベールが日本に訪ねてくるところから、不思議。それも利根川の源流の八木沢。仕事でフランスに行って、恋人ができ、一緒に帰国後、熊本のダムでホームシックになるとか、視覚障害の妹茜が進路で家族と衝突したとか、そういうリアルなものでしたので、「暗号」とかタイムスリップとかがミステリアスでした。
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