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本・国内作品

平野啓一郎「マチネの終わりに」

☆☆☆☆


内容紹介

天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。
深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか――。

出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。
スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。
やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが……。


アメトーークで、若林君と又吉先生がおすすめしてい本。番組の効果でなんと図書館予約殺到でした。


もう少し若いときに読んだのなら違った感想なんでしょうが、私としてはうなってしまった。

以下内容に触れます。

無意識のうちに悲鳴あげてしまったのは、ラスト。

まさかまさかの再会のシーン。ここで終わらせる?と悲鳴。

途中早苗が携帯を細工して、結局水没させるところも、悲鳴でした。早苗の行動が、一番私としては共感してしまった。

いろいろ個人的には腑に落ちないところもあるけど、実際の海外の出来事も絡ませての物語の展開は、さすがというほかありません。

おすすめしてた又吉先生も若林君も独身なのは、偶然でしょうか。

薬丸岳「Aではない君と」

☆☆☆☆☆

内容紹介

殺人者は極刑に処すべきだ。親は子の罪の責任を負うべきだ。周囲は変調に気づくべきだ。自分の子供が人を殺してしまってもそう言えるのだろうか。読み進めるのが怖い。だけど読まずにはいられない。この小説が現実になる前に読んでほしい。デビューから10年間、少年事件を描き続けてきた薬丸岳があなたの代わりに悩み、苦しみ、書いた。この小説が、答えだ。

正直打ちのめされてしまった。

あまりの衝撃で、読む手が何度も止まり、小休止をはさみながらの読書だった。ノンフィクションとも思わせる内容ですが、小説でないと逆にかけないものもあります。

以下内容に触れます。

「心と人とどちらが大切か」という重い課題がありました。
いわゆる加害者とされる青葉翼の追い込まれていく状況は、本当に切ないものがありました。逆に被害者とされる藤井優斗も、死んだあと家族が知る事実にも重いものがありました。


自分が女のせいか、翼の母親の態度に関しては、どうも理解不能。吉永が優等生な気がしました。

母親がアパートに住めなくなり、夜逃げのような引っ越し。マスコミに取り囲まれた吉永が、会社の人たちから、はれ物に触れるような対応されたり、恋人との破局。それぞれの実家の様子など、リアリティありすぎて、本当にへこみました。ラストもかすかな希望だけで、苦しい読書になりました。

帚木 蓬生「悲素」

☆☆☆☆☆

内容紹介

タリウム、サリン、そして砒素――。「毒」はなぜ、人の心を闇の世界に引きずり込むのか? 悲劇は、夏祭りから始まった――。多くの犠牲者を出した砒素中毒事件。地元の刑事の要請を受け、ひとりの医師が、九州からその地へと向かった。医師と刑事は地を這うように、真実へと近づいていくが――。「毒」とは何か、「罪」とは何か。現役医師の著者が、実在の事件を題材に描いた「怒り」と「鎮魂」の医学ミステリー。


本読み仲間のときわさんのおすすめ。彼女の読む本(特にノンフィクション関連)は、とても素晴らしい。
年末のお勧めにあったので、手に取りましたけど、分厚い・・・読み始めて、理系の記述が多くて、読み切れるか心配でしたが、結局魂揺さぶられる作品となりました。

一応フィクションの形をとっていますが、中身は限りなくノンフィクション。

さらに毒物を使った犯罪の歴史、文学作品に登場する毒物など、読み物としても幅広いものになっていました。

警察ではなく、医者、学者として事実を見つけていく様子は、感動がありました。私自身は、動機があいまいなカレー事件より(本人の供述がないのだから、仕方ない) その前の保険金がらみの事件に、驚いた。特に夫に関連して、高度障害のふりをさせたのには、だまされるドクターが気の毒でならない。

たとえ助かったとしても、長年後遺症に悩まされるという初めて知る事実も多かったです。たくさんの方に読んでいただきたいと思います。

彼女が、生保の仕事をしていたことに今更ながら驚きました。あの厳しい世界で、務まったんだろうか・・・

野上孝子「山崎豊子先生の素顔」

☆☆☆☆



内容紹介

『白い巨塔』『華麗なる一族』『大地の子』『沈まぬ太陽』『運命の人』……。現代のタブーに迫り、戦争と平和を問い続けた国民的作家・山崎豊子。
その素顔と創作の現場を、52年間支えた秘書が明かす。

「秘書、求む」の張り紙を見て訪れた先は、「あんさん、二、三年持ったらええほうでっせ」と怖れられる女性作家の家――。それが、山崎豊子という渦潮に巻き込まれる歳月の始まりだった。
「意見なき者は去れ」が信条の作家は、新人秘書にも絶えず感想を求め、小説をめぐって熱いバトルが続く。「小説はテーマで50点」などの小説作法から取材秘話まで。


ずっと気になってた方。山崎豊子さんの本のあとがきに,必ず名前が載っていました。未読の作品が,まだあるので来年読みたいと思いました。


特に、「大地の子」に関して、大変な取材だったこと、改めて感じました。また、先生の原稿の清書をしていたとは、素晴らしい!編集者より先に読めるなんて、想像しただけで幸福感があふれてきます。

「華麗なる一族」と「不毛地帯」・・・来年読む!

百田尚樹「海賊とよばれた男」

☆☆☆☆

あらすじ・内容
忘却の堆積に埋もれていた驚愕の史実に当代一のストーリーテラーが命を吹き込んだ。

1945年8月15日、異端の石油会社『国岡商店』を率いる国岡鐵造は、海外資産はもちろんなにもかもを失い、残ったのは借金のみ。そのうえ石油会社大手から排斥され売る油もない。しかし『国岡商店』は、社員ひとりたりと馘首せず、旧海軍の残油集めなどで糊口をしのぎながらも、たくましく再生していく。
20世紀の産業を興し、国を誤らせ、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。その石油を武器に変えて世界と闘った男とは何者なのか――実在の人物をモデルにした、百田尚樹作品初の本格ノンフィクションノベル!
あらすじ・内容
この男の戦いは0から始まった――
敵は七人の魔女、待ち構えるのは英国海軍。敗戦後、日本の石油エネルギーを牛耳ったのは、巨大国際石油資本・メジャーたちだった。日系石油会社はつぎつぎとメジャーに蹂躙される。一方、世界一の埋蔵量を誇る油田をメジャーのひとつアングロ・イラニアン社(現BP)に支配されていたイランは、国有化を宣言したため、国際的に孤立し、経済封鎖で追いつめられる。英国海軍が警戒する海を、一隻の日本のタンカーがイランに向けて航行していた――。
「日章丸事件」に材をとった、圧倒的感動の歴史経済小説、ここに完結。

以前から話題の本、予約せず読めるようになりました。

一応名前は変えていますが、山崎豊子さん的手法で,事実に基づいて小説になっています。


初めて知ることばかりで、目からうろこが落ちるようでした。何気なく子供のころから見ていた,ガソリンスタンドのマークには、そういう意味があったのね・・・ イランと日本の間にそういうことがあったんだ。

最初の奥さんが、子供がいないことで,自ら離婚を願う場面には、涙しました。最後にその後の彼女のこと,触れていただいて、ありがとうございます。

映画になるそうですね。

熊谷達也「潮の音、空の青、海の詩」

☆☆☆☆☆

内容紹介


仙台市内で被災した予備校講師・聡太が、避難所での友人との再会や、日常の復活の中で被災の深刻さを実感していく過程などを描く現在――。転じて60年後、再度の大津波に見舞われた仙河海市を舞台に、防潮堤や放射能廃棄物の受け入れなどを描く未来――。現在と未来の視点を交錯させながら、復興に生きる人々を迫真の筆致で描く物語。地方紙連載中から評判を呼んだ小説の単行本化。


過去,新聞や雑誌の連載時から読み、思い出深い作品があります。この本もそうなると確信しました。ただし、私はこの本を冷静に判断することはできません。

「黒い雨」を読み、原爆のことを知ったように、将来的にはこの本で東日本大震災を知ってほしいと思います。

連載時、特に「潮の音」の描写が,心理的にきつすぎました。私自身、石巻で被災したもので、その当時のことがフラッシュバックしてきます。

また「空の青」で、2020年の東京オリンピックのあと数年で、また津波被害があった。核廃棄物の最終処分場が、仙河海にできるなと、目の前が暗くなるようなことばかりだった。現に宮城県では、原発事故の廃棄物の最終処分場のことで大変なことになっているので、どうも単なる未来の話と思えなかった。

聡太がそのあとどんな一生を歩むか,断片的にしか伝わってこないのが,もどかしい思いでした。いい本に出会えてよかったです。

遠藤誉「チャーズ中国建国の残火」

内容(「BOOK」データベースより)

激しい内戦によって誕生した中国。1947年、中国共産党軍は国民党軍が占拠する長春を食糧封鎖。30万人の民衆を餓死に追い込んだ。7歳の筆者が見たものは?極限状態を生きぬいた日本人少女、魂の実録。

「大地の子」の参考書籍のなかの一冊。 満州からの引き上げ体験の話は、かなり読んだほうですが、父親の事情とはいえ、その後の中国で暮らした日本人の体験記は、あまり読んだことないように思います。


正直とんでもない本を読んでしまったというのが、正直な感想です。

あの時代、大変な思いをしなかった人たちはいなかったと思いますが、とにかくすごい内容でした。立ち位置として、ずっと微妙だったのは、作者の言葉からわかるように「日本人と言われ、いじめられ。帰国したら○○と言われ差別された」と。

大変な中、父親の情愛、それと対比して白ねずみと称される,世渡り上手な親類。いつの世もこういうことなんだ・・・

「大地の子」「ワイルドスワン」など読んだ方、ぜひおすすめします。


東山彰良「流」

ネタバレ注意!!


☆☆☆☆

あらすじ・内容

何者でもなかった。ゆえに自由だった――。
1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。
17歳。無軌道に生きるわたしには、まだその意味はわからなかった。
大陸から台湾、そして日本へ。謎と輝きに満ちた青春が迸る。
友情と恋、流浪と決断、歴史、人生、そして命の物語。
エンタメのすべてが詰まった、最強の書き下ろし長編小説!

久々に「初読」かつお勧めしたい作品に出会いました。最新の直木賞作品です。

なかなかボリュームのある内容なんで、買うかどうかは微妙かな。図書館派にはおすすめします。選考委員は絶賛だったようですが、年齢高めの方に受ける内容と思います。

私自身の感想ですが、前半苦しかったです。暴力的描写、祖父は中国大陸で共産党と戦った、主人公そのもののふらふらしている・・・やめちゃおうかなという誘惑との戦いでした。

祖父の死についての謎解きが、えらい展開へ・・・


以下内容にふれます。


親友の遺児ということで育った主人公の叔父が、なんと殺した男の遺児だったという結論に,呆然としました。まさかまさか・・・

最近テレビで山崎豊子さんのドキュメント見て,「大地の子」も一緒に読んでいるのですが、なんとも運命的なものを感じました。


偶然とはいえ、妻に先立たれた夫が登場する話を二冊続けて読む。

さすが二冊続けてだと、放心状態になってしまって、冷静に感想がかけない。

本プロOBの皆さんの感想をぜひ知りたいです。

一冊目西川美和「永い言い訳」 こちらは一応そういう内容と知ってました。

あらすじ・内容
「愛するべき日々に愛することを怠ったことの、代償は小さくない」

長年連れ添った妻・夏子を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓。
悲しさを“演じる”ことしかできなかった津村は、
同じ事故で母親を失った一家と出会い、はじめて夏子と向き合い始めるが…。

突然家族を失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか。
人間の関係の幸福と不確かさを描いた感動の物語。

書き手があちこち飛ぶので、最初戸惑ってしまいました。

大宮一家の壊れ方が、リアリティありすぎ…保育園児と小学生、男所帯で近くに頼る人がいないとこうなってしまうだろうな。その一家に津村がかかわることになるのだが、自分に見せなかった夏子のことを知って、困惑する展開。また、子供たちと接することによって、津村が少しずつ変わっていくのにほのぼのしました。大宮陽一のダメおやじぶりには笑ってしまうけど、犯罪者になりかけたことには、泣けてきました。

津村には共感できず、一生苦しめと思うのは、私が中年女だからでしょうか。

また母親が一番恋しい時期なのに泣きごとを言わない真平くんと灯(あかり)ちゃん。けなげで心をわしづかみされました。


●●●●●●●●●●●●●●

二冊目桜木紫乃「それを愛とは呼ばず」 作者の新刊、タイトルに引かれて読み始めたものです。

内容(「BOOK」データベースより)

妻を失い、仕事を奪われ、故郷を追われた54歳の経営者。夢を失い、東京に敗れた29歳のタレント。そしてふたりは、出会ってしまった。狂気を孕んでゆく女の純粋は、男を搦めとり、その果てに―。想像の範疇をはるかに超えるこのラストを、あなたは受け止められるか

以下内容に深く触れます。


経営者亮介。元タレント紗季。亮介の妻、章子。章子の息子慎吾、弁護士片倉が主な登場人物。

章子は、いわゆる女実業家。亮介は10歳年下の再婚相手で、会社の副社長。妻が交通事故を起こして,意識不明になることから動き始める物語。微妙な力関係が,一気に崩れていく様子は、この作者さんの得意なところ。

北海道で、紗季が狂った状態で犯罪に手を染めるのまでは、理解できたとしても(自殺した小田木を始末してしまうのです) もう最終章なんて、「助けて!」と言いたい気分。亮介まで練炭で殺すという結末、そこまでのぶっ飛びに関して,作者は全く表現していない。タイトルは検事が彼女を諭す一言でした。

薬丸岳「逃走」

あらすじ・内容
早期解決を確実視された殺人事件。容疑者の若者は何のために逃げ続けるのか?
驚愕と感動のラストが待つ、乱歩賞作家による逃亡劇。

閉店後のラーメン店で、店主が何者かに暴行され死亡した。通報により駆けつけた救急隊員に、「約束を守れなくてすまない」と声を振り絞り、被害者は息絶える。通報した若者を容疑者として始まった捜査は、早期解決が確実視されていたはずだった……。


なぜ逃げるのか?

その点が最後まで,引っ張られる展開でした。児童養護施設で育った兄と妹には,深い事情があるようだ。

舞台は埼玉,和歌山、小豆島、広島など。面白かったけど、どうしてもこの作家さんには、期待しすぎてしまう傾向があります。


以下ネタバレ。

両親の起こした事件は、保険金殺人ということになっているが、さらにそれは替え玉殺人であった。
また、兄と妹は血がつながっていなかった。


母が出所したあと、彼らと絶縁状態だったのが、どうにも腑に落ちない。家族とは難しいものだ。

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