ブログパーツ

  • ほっその今読んでる本

最近のトラックバック

本・桜木紫乃

偶然とはいえ、妻に先立たれた夫が登場する話を二冊続けて読む。

さすが二冊続けてだと、放心状態になってしまって、冷静に感想がかけない。

本プロOBの皆さんの感想をぜひ知りたいです。

一冊目西川美和「永い言い訳」 こちらは一応そういう内容と知ってました。

あらすじ・内容
「愛するべき日々に愛することを怠ったことの、代償は小さくない」

長年連れ添った妻・夏子を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓。
悲しさを“演じる”ことしかできなかった津村は、
同じ事故で母親を失った一家と出会い、はじめて夏子と向き合い始めるが…。

突然家族を失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか。
人間の関係の幸福と不確かさを描いた感動の物語。

書き手があちこち飛ぶので、最初戸惑ってしまいました。

大宮一家の壊れ方が、リアリティありすぎ…保育園児と小学生、男所帯で近くに頼る人がいないとこうなってしまうだろうな。その一家に津村がかかわることになるのだが、自分に見せなかった夏子のことを知って、困惑する展開。また、子供たちと接することによって、津村が少しずつ変わっていくのにほのぼのしました。大宮陽一のダメおやじぶりには笑ってしまうけど、犯罪者になりかけたことには、泣けてきました。

津村には共感できず、一生苦しめと思うのは、私が中年女だからでしょうか。

また母親が一番恋しい時期なのに泣きごとを言わない真平くんと灯(あかり)ちゃん。けなげで心をわしづかみされました。


●●●●●●●●●●●●●●

二冊目桜木紫乃「それを愛とは呼ばず」 作者の新刊、タイトルに引かれて読み始めたものです。

内容(「BOOK」データベースより)

妻を失い、仕事を奪われ、故郷を追われた54歳の経営者。夢を失い、東京に敗れた29歳のタレント。そしてふたりは、出会ってしまった。狂気を孕んでゆく女の純粋は、男を搦めとり、その果てに―。想像の範疇をはるかに超えるこのラストを、あなたは受け止められるか

以下内容に深く触れます。


経営者亮介。元タレント紗季。亮介の妻、章子。章子の息子慎吾、弁護士片倉が主な登場人物。

章子は、いわゆる女実業家。亮介は10歳年下の再婚相手で、会社の副社長。妻が交通事故を起こして,意識不明になることから動き始める物語。微妙な力関係が,一気に崩れていく様子は、この作者さんの得意なところ。

北海道で、紗季が狂った状態で犯罪に手を染めるのまでは、理解できたとしても(自殺した小田木を始末してしまうのです) もう最終章なんて、「助けて!」と言いたい気分。亮介まで練炭で殺すという結末、そこまでのぶっ飛びに関して,作者は全く表現していない。タイトルは検事が彼女を諭す一言でした。

桜木紫乃「ブルース」

☆☆☆


内容紹介

外道を生きる孤独な男か、それとも女たちの「夢の男」か――釧路ノワールの傑作、誕生。

没落した社長夫人が新聞の社告の欄に見た訃報、それはかつて焦がれた六本指の少年のものだった。深い霧たちこめる北の街の「崖の下」で生まれた男が、自らの過剰を切り落とし、釧路の夜の支配者へのしあがる。男の名は影山博人。苛烈な少年時代を経て成熟していった、謎めく「彼」をめぐる八人の女たちの物語。

珍しく主人公が男性。作者に男を描かせるとこういうことになるのか。納得の作品でした。好みは分かれると思うのですけど。


6本指の男性、影山博人が主人公の名前。テレビでどこかの国では、指が多い人は幸運をつかむと思われていることが紹介されてたこと、思い出しました。


彼の母の設定も、すごすぎる。この貧民街とも思われる長屋の描写が、すごい。でもこういう時代って、そんなに昔のことでもないんだよなあ・・・

桜木紫乃「無垢の領域」

★★★

内容紹介

知らないままでいられたら、気づかないままだったら、どんなに幸福だっただろう――革命児と称される若手図書館長、中途半端な才能に苦悩しながらも半身が不自由な母と同居する書道家と養護教諭の妻。悪意も邪気もない「子どものような」純香がこの街に来た瞬間から、大人たちが心の奥に隠していた「嫉妬」の芽が顔をのぞかせる――。いま最も注目される著者が満を持して放つ、繊細で強烈な本格長篇。


これもまた打ちのめされてしまったけど、読後感がこの前の作品とはちょっと違うので、★はこれにしておきます。


読後、茫然としたのは、物語の中の疑問が、ほとんど投げかけられただけで、解決されなかったこと。悲鳴です!

純香(じゅんか)、母は聖香(せいか)。純香が殺される展開で、驚きました。 書道家秋津の母の詐病について、全く解決されず、背筋が寒くなる思いでした。夜中、息子のために落款のため、彫刻刀を握る母。さらに、純香と聖香の作品が、秋津の受賞作と似ているとはどういうこと?


純香が、祖母の死亡について理解できない場面には、涙でした。

桜木紫乃「星々たち」

★★★★★

内容(「BOOK」データベースより)

奔放な母親とも、実の娘とも生き別れ、昭和から平成へと移りゆく時代に北の大地を彷徨った、塚本千春という女。その数奇な生と性、彼女とかかわった人々の哀歓を、研ぎ澄まされた筆致で浮き彫りにする九つの物語。


直木賞もらって、自信がついたのかな。彼女らしい作品に仕上がっていました。

私はずっと「女の一代記」といえる長編小説が大好きですが、この作品も連作短編のスタイルをとっていますが、千春を中心に、千春の母咲子(産んだだけといってもいいかも) 千春の娘やや子(産んだだけ)の生きざまを描いています。

長編なら丹念に書いていくところが、視点を変えていく都合で、何年か急に飛ぶ! その間の出来事は、想像するしかない。これも彼女の作品を読み続けている私には、たまらないものでした。

やや子のたくましさにはある意味驚いた。桐子がどう育てたんだろか。やや子の父の放浪した人生も、なんとなく透けて見える。いやいや参りました。スピンオフが書けそうな作品でした。

桜木紫乃「蛇行する月」

★★★★

内容紹介

       「東京に逃げることにしたの」道立湿原高校を卒業したその年の冬、図書部の仲間だった順子から電話がかかってきた。
二十も年上の職人と駆け落ちすると聞き、清美は言葉を失う。
故郷を捨て、極貧の生活を“幸せ" と言う順子に、悩みや孤独を抱え、
北の大地でもがきながら生きる元部員たちは引き寄せられていく――。
今もっとも注目される著者による、読む者の心に希望の灯をともす傑作小説。

今上橋作品読んでいるのですが、箸休めのつもりが結局一気読み!

ある意味、冒険作だと思います。直木賞とったからかなあ。

この物語、あきらかに主人公は順子。でも、順子は、周りの目を通しての描写しかなく、本人の本音の描写は一切ない。

妻子ある菓子屋の店主(職人)だった男と、駆け落ち。それも身重の状態での逃避行。彼女とかかわりのある人物を通じて、彼女の人生が、年月の移り変わりとともに書かれている。

いちばん強烈だった場面は、夫に失踪された立場の和菓子屋のおかみ(弥生)の章。離婚届けと失踪届とどちらか選択させる場面。失踪届を選ぶって、え~~~。頭がくらくらした。結局、順子は内縁のまま、死ぬの?また、フェリーの乗務員している友人(桃子)が、順子に宅配の荷物作るところ。

難しい病気だけど、死んでも息子の目になれると前向きな順子が、哀れでならない。内縁の夫は「失踪届」選択したというのに。

「幸せは自分のこころが決める」のは、確かだけど、人をうらやましいという気持ちを封印しただけで、こう暮らせるものかと、自分自身を振り返る作品だった。

桜木紫乃「恋肌」

★★★

内容(「BOOK」データベースより)

       三十歳まで女を抱いたことがない牧場の一人息子・秀一が、日本語を話せない中国の娘を嫁に迎え入れる表題作「恋肌」ほか五編を収録。がんじがらめの人間関係、息をひそめるように繰り返される男女の性愛。“新官能派”作家の傑作集。

彼女って、はじめからこんなディープな世界を描いていたのね。妙に納得してしまいました。

R-18文学賞も吹っ飛びそうな作風です。

いちばんの衝撃は、「プリズム」 結果として犯罪に手を染める女性を描いたのですが、そのハードルの低さは、ある意味衝撃的。男がだらしなく描かれているのにも、うなっちゃいました。

表題作の「恋肌」は、逆にリアリティあって、好感持てる作品でした。

桜木紫乃「起終点駅(ターミナル)」

★★★

内容説明

       生きて行きさえすれば、いいことがある。

笹野真理子が函館の神父・角田吾朗から「竹原基樹の納骨式に出席してほしい」という手紙を受け取ったのは、先月のことだった。十年前、国内最大手の化粧品会社華清堂で幹部を約束されていた竹原は、突然会社を辞め、東京を引き払った。当時深い仲だった真理子には、何の説明もなかった。竹原は、自分が亡くなったあとのために戸籍謄本を、三ヶ月ごとに取り直しながら暮らしていたという――(「かたちないもの」)。
道報新聞釧路支社の新人記者・山岸里和は、釧路西港の防波堤で石崎という男と知り合う。石崎は六十歳の一人暮らし、現在失業中だという。「西港防波堤で釣り人転落死」の一報が入ったのは、九月初めのことだった。亡くなったのは和田博嗣、六十歳。住んでいたアパートのちゃぶ台には、里和の名刺が置かれていた――(海鳥の行方」)。

最近よく読む作家さん。気に入っているので、読書メーターで調べて、図書館にあるのは全部読もう!

この本は、表紙の印象からかけ離れているというネットの評判が、当たっています。

新聞記者里和の話はもう少し読みたいと思いました。彼女の恋人?!(恋人と言い切れるか微妙な関係)の圭吾のその後、知りたいです。

自分の姉の夫と関係があり、晩年はかなりの年下の男性と暮らした中田ミツの話の「たたかいにやぶれて咲けよ」と、死んだ母のただ一人の友人たみことの交流を描く、「潮風の家」がお気に入りです。壮絶な経験をしてきた女性を描く力には、脱帽です。

桜木紫乃「凍原」

★★★★

内容(「BOOK」データベースより)

       湿地に足を取られて死んだ者は、土に還ることも出来ず、永遠に水の中を彷徨っている。釧路湿原で発見されたサラリーマンの他殺死体。被害者が開けてしまったのは、64年も前に封印されたパンドラの箱だった。

私は「女の一代記」 「大河小説」というくくりの本が好きで、こういう雰囲気には最初から引き込まれてしまいます。

ヒロインの刑事は、弟が湿原で行方不明。(構造的に遺体が上がらないようだ)その事件と、自分が事件として担当するサラリーマンの殺人事件。この事件の根っこにある、樺太でのこと・・・などなど複雑にからみあっていく作品。そこまで複雑にしなくても、十分読み応えのある作品だと思います。

引き揚げといえば、満州など大陸からの話をよく耳にしますが、そうだ樺太もありなんだ。そういう方が北海道に行きついて、人に言えない苦労をしたという展開は、ありえそうです。

被害者がずっと苦悩していた青い目のことですが、結局彼の母は、あの人とあの人との間の子供だったってこと!?彼の母でも一作書けそうです。

桜木紫乃「硝子の葦」

★★★

内容(「BOOK」データベースより)

愛と憎しみは、相殺できるの?母の愛人だった男が、私の夫。愛なんて、最初からなかったはずなのに。意識を失ったままの男。漆黒の骨にしかなれなかった女。狂い出した日常―怪物たちが覚醒する。
最近よく読む作家さん。未読の読もうかと思い、これをチョイス。
あらすじは上のとおりです・・・もう二時間ドラマ真っ青の展開かな。脳内イメージは、節子(主人公)が、藤真利子。母が、丘みつ子か赤座美代子。
節子が結婚しても、会計士の先生との関係が切れないのが、この物語のキーポイントになります。最近読んだ、「ホテルローヤル」が、ここにも登場しますが、特にリンクしていないみたいです。
この作家さんて、驚くような設定がよく出てくる。懐が深いんだろうなあ。もう少し読みたいと思ってます。

桜木紫乃「ホテルローヤル」

★★★

内容(「BOOK」データベースより)

 

恋人から投稿ヌード写真撮影に誘われた女性店員、「人格者だが不能」の貧乏寺住職の妻、舅との同居で夫と肌を合わせる時間がない専業主婦、親に家出された女子高生と、妻の浮気に耐える高校教師、働かない十歳年下の夫を持つホテルの清掃係の女性、ホテル経営者も複雑な事情を抱え…。

最近読んでいる作家さん。連作短編ですが、時系列に並んでいませんので、ちょっと戸惑いました。だってお寺の話の中で、ホテル経営者が「遺骨」になっていたんで、びっくりでした。

「せんせぇ」がよかったかな。妻の浮気相手は、なんと校長で、仲人までしているなんて、ひっくり返りそうな設定でした。仰天するような設定が多かったですけど、彼女らしいものとして理解しました。もう少し読み進めたいです。

より以前の記事一覧

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

ブログのお友達♪

  • EKKOさま
    EKKOさんの読書日記。他、音楽やスケートの話題もあります。
  • hitoさま
    hitoさんのブログ「日々のつぶやき」  本と映画の話題が満載です。
  • kanakanaさま
    kanakanaさんのブログ「kana's bedside」 おしゃれな日常や映画、本の話題がいっぱいです。
  • なぎさま
    なぎさんのブログ、「陽だまりの図書館」 読書の幅も広く、若い方向けの本も多数お読みです。
  • ぱせりさま
    児童書から、翻訳書まで読書の幅が広いブログです。
  • まゆさま
    まゆさんのブログ、「空と海の青」です。読書日記の「読み人の言の葉」にもここからいけます。すごい読書量で、心から尊敬している私です。
  • ゆきみさま
    お友達のゆきみちゃん。「ゆきみのゆるみ」です。ブログ、引っ越しされたそうです。
  • 杏子さま
    杏子さんの読書日記。「杏のらんどく日記」 私の苦手なファンタジーをよくお読みです。
  • 苗坊さま
    すごい読書の量に、V6の話題満載。楽しいブログです。